概要
クレハ環境の歴史
私たちの歴史は、多様なブレイクスルーの積み重ねでできています。焼却処理を基盤としながら、有害廃棄物への対応、汚染サイトの環境回復、排ガスや水の浄化など、世の中の求めに応じて課題系解決に取り組んできました。時代とともに新たな技術を確立し、新たな分野へ進出してきたクレハ環境の歴史を紹介します。


概要
私たちの歴史は、多様なブレイクスルーの積み重ねでできています。焼却処理を基盤としながら、有害廃棄物への対応、汚染サイトの環境回復、排ガスや水の浄化など、世の中の求めに応じて課題系解決に取り組んできました。時代とともに新たな技術を確立し、新たな分野へ進出してきたクレハ環境の歴史を紹介します。
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1950~60年代には有害物質汚染による公害が社会問題となり、重化学工業における有害廃棄物の問題が認識されるようになりました。そういった状況を受け、クレハ環境は廃棄物処理法と同じ1971年に設立されています。始動後は親会社クレハの廃棄物処理や場内物流などを担い、十数年を経て自社開発による中小規模の1~6号焼却炉を建設。クレハグループが持つ化学メーカーとしてのプラント技術を背景に、事業基盤となる工場設備を整えてきました。
02
クレハ環境の大きな転換点となったのは、当時国内最大級となる新7号焼却炉と8号焼却炉の建設です。新7号は1998年に設置され、8号は1993年に建設されました。この1990年代にはダイオキシン類が社会問題化しています。これに対し、ダイオキシン対策を施した焼却炉で有害廃棄物の無害化技術を確立。1,000℃以上の高温焼却実証実験を重ね、塩化ビニルや塩化ビニリデン樹脂など塩素を含む廃棄物についてもダイオキシン類発生抑制を実証しています。
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1990年代当時は、環境対策が十分でない小型焼却炉でもダイオキシン類発生が問題となっていました。合わせて病院やクリニックで発生する、医療廃棄物の適正処理も社会的な課題となっていました。こういった状況に対し、クレハ環境では時代に先駆けて大型化した二つの焼却炉に加え、大型保冷倉庫、自動投入設備、ICタグを用いたトレーサビリティーシステムなどを整備。これにより、首都圏を含む東日本エリア全域の医療廃棄物適正処理に貢献してきたのです。
04
2000年代に入ると廃棄物処理法の規制強化が進みましたが、それ以前には産業廃棄物の不法投棄が多数見られました。福島県では1997年、国内でも例のない規模で行政代執行が実施された四倉不適正保管案件が発生。いわき市の四倉地域に、ドラム缶55,000本分の廃棄物が野積みされていたのです。クレハ環境ではこの案件に対し、3年間にわたって現地に多数の人員を派遣。有害物質汚染エリアの廃棄物をすべて撤去し、きれいな自然環境を取り戻しています。
05
人類が生み出して使用してきた化学物質には、人体に有害な物も少なくありません。その中でも特に自然環境の中で分解されにくい塩素系農薬、PCB、PFASなどは、残留性有機汚染物質(POPs)と呼ばれています。2000年代から国際条約によって製造、流通、販売が禁止されている一方で、その対象物質は徐々に増えている状況です。そういった中、クレハ環境では1,000℃以上の高温焼却により、POPs処理のリーディングポジションを確立しています。
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㈱クレハいわき事業所に隣接して事業を開始したクレハ環境。時代の要請にこたえながら事業を拡大し、第二の拠点を構えるまでになりました。2010年には当時経営難に陥っていた第三セクター、㈶かながわ廃棄物処理事業団からの事業譲渡という形で施設を取得。経営改善の取り組みを経て、黒字転換を果たしました。現在「ウェステックかながわ」として稼働する第二事業所では、国内におけるPFAS無害化処理の中心的役割を担っています。
07
2011年の東日本大震災では、地元いわき市も甚大な被害に見舞われました。クレハ環境では、市から仮置き場に運ばれた大量の災害廃棄物管理業務を受託。ウェステックいわきで可燃物の焼却処理を行うなど、4年にわたって災害廃棄物の処理に貢献しています。震災では揺れや津波に加え、福島第一原発事故も発生。放射性物質を含む廃棄物の管理、処分が課題となりました。この状況を受け、クレハ環境は作業者の安全管理を徹底しながら震災復興に協力し続けています。
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親会社クレハがグループ会社の再編と集約を進める中で、2012年には当時のクレハエンジニアリングから環境装置群を設計販売する環境エンジニアリング事業が移管されました。これはクレハ環境にとって第三の事業拡大とも言える出来事です。それまでは廃棄物に関わって何かを処理する事業を主としていた私たちが、何かを生み出す事業にも手を広げる大きな一歩となりました。この一件は、従来から注力してきたエンジニアリング力の底上げにもつながっています。
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クレハ環境における第四の事業拡大となったのが、産業廃棄物の最終処分場運営です。2019年には以前から取引していたひめゆり総業㈱の株式を100%取得し、グループ会社としました。その後、2024年には廃棄物収集運搬に取り組む日本メディカル・ウェイスト・マネジメント㈱にも出資し、グループ会社に加えています。焼却施設から始まったクレハ環境の業態は最終処分事業におよび、首都圏の医療廃棄物運搬事業にまで広がっています。
環境省 ネイチャーポジティブイメージキャラクター
「だいだらポジー」
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設立から半世紀が過ぎ、時代の流れはカーボンニュートラル(CN)、サーキュラーエコノミー(CE)、ネイチャーポジティブ(NP)に向かっています。そういった中でクレハ環境は、ウェステックかながわの廃棄物発電でCN、CE、NPに貢献しているほか、廃棄物由来のCO2を排ガスから回収して利用するCCU技術の実証に向けた検討も進めてきました。またCEの観点に立ち、廃バッテリーから有価金属をリサイクルする事業に向けた準備も進めています。
環境省 ネイチャーポジティブイメージキャラクター「だいだらポジー」